もはや「事件現場ジャーナリズム」は崩壊している
〜〜ボストンマラソン爆破事件から見るソーシャルメディアと報道の衝突 2013.4.29
佐々木俊尚の未来地図レポートのアーカイブ Vol.242 をお送りします。
佐々木俊尚
2022.04.28
読者限定
佐々木俊尚現在の視点
SNSで相手のことを探り、さまざまな情報を収集し、さらには情報戦をしかけていくというのは今回のロシアによるウクライナ侵攻でも非常に大がかりにおこなわれています。ロシア・ウクライナの双方だけでなく、そこに戦場にはいない各国の人々も参入し、世界全体がSNS情報戦に呑み込まれているように感じます。日本でも親ロシア的な投稿をする人たちが多くいます(彼らは反ワクチンとかなり重なっているというのはいくつかの分析で指摘されているところです)。振り返ればこのようなSNSでの情報戦の源流は、ちょうどフェイスブックやツイッターが日本でも広まりつつあった2010年代前半にまでさかのぼることができるでしょう。2013年には、それを象徴するような「ボストンマラソン爆弾テロ」が起きています。爆弾テロで人々がどのように情報を収集し、発信していたのかをこの号では分析しました。